「納期が早くてリセールが良い車ってないですか?」納期と販売台数とリセールの関係

「納期が早くてリセールが良い車ってないですか?」

よくお問い合わせを頂くご質問なのですが、
基本的にはありません。
あるいは難しいのですが結果的にはありません。
今回は、納期と販売台数とリセールの関係について、書かせて頂きます。

そもそも納期が長い事が要因としてリセールが高い事も多い

フルモデルチェンジ後、現在でもリセールの高いジムニー。
国内、海外ともに人気なのですが、例えば、納期が2週間だったら・・・?

わざわざ高い中古車を買う御客様がいなくなり、
中古車価格は今のように”新車より高い”なんて、なくなる事が容易に想像できますよね。

日産地獄、マツダ地獄なんて言葉がひと昔はよく言われたのですが、
生産過剰で在庫があまり、納車まで書類が揃うだけで2週間で納車出来る!
となると、
在庫が余ったら置く場所にも大変、車と言えど古くなる!
と、値引きも多くなり、乱売をしちゃうので、中古車価格は下がって行く一方。

次に買うのも、下取価格の関係から、安く買える新車しか買えず、
同じメーカーしか買えない。なんて事がありました。

そのため、
「値引きが多い」「納期が早い」
というのはかえって、リセール面ではよくない事が多いです。

販売台数TOP10入り、前年対比で3倍の売れ行き!

「すごいそんなに人気なんだ!リセールもきっといいんだね!」

これってシンプルにそうとも言えません。
「販売台数」というのが、「ナンバーを装着して登録をした台数」を表すからで、
受注してて納期待ちの台数でもなければ、
その月に契約をした方の人数でもないからです。

例えば2020年8月の販売台数ですが、
(2020年9、10月は消費増税前後の月で全くあてにならない。。。)
ジムニーシエラ 1,381台(前年比298%)
ハリアー 6,231台(同203%)
アルファード 7,103台(同153%)

高リセールで有名なジムニーシエラですが、
市場への供給台数が増えている事で、欲しい方(需要)に行きわたり、
先々の需要が落ちてくる事が考えられます。

もちろん、まだまだ長期納期で欲しい方が多いのですが、
一時期のソロキャンプ需要などの落ち着きもあり、
前年対比で供給がたくさん増えるという事は、
逆に「納車が進んでいる」という事でもあるあり、
言い方を変えれば、「将来的に売りに出される車両が増えている」事でもあります。

実はリセールにいいのは、「納期が長い」のに「販売台数」は増えない事

人気の車なのに、生産台数が少なくて販売台数ランキングも上位にいない。
納期が長くて、なかなか届かない。
⇒さらにリセールがよくなる。

という事になるのですが、さすがにこのコロナ禍。
トヨタ、スズキでも、生産増強をしているのは、
ハリアー、アルファード、ジムニー/ジムニーシエラなど、
人気の車種で、納期が長く受注台数が多い車両を、積極的に生産し、業績回復を狙っております。

それでも納期が長いままのハリアー、ジムニーはさすがとしか言えません。

お客様からご質問があったので、ちょっと違った視点から、
リセール記事を書かせて頂きました。
文章だけで恐縮ですが、お役に立てれば幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

余談

前回の60ハリアーの時は納期1年待ちで、
ジムニー同様、中古車がすごい高かったです。。。
このまま長期納期のまま、
1年経過してハリアーが高騰したらいいな・・・というお客様が多い状況。
弊社でもデモカー展示しておりますので、期待しております。

トヨタの中でも、クラウン、カムリなどセダン系。
日産、ホンダ、三菱、マツダは結構な台数が、
前年比大幅なマイナスで、かつ納期が短いです。
「リセールも悪く、値引きをしても売れない。」の負のスパイラルが続いております。

クラウンがSUVになんて報道がありましたが、
特に法人様でセダンからミニバンのアルファードに入れ替えという方が増えてきている印象。
お好きな車をご購入頂きたいものの、ちょっとだけ統計データも見て頂くと面白いかもしれません。

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